瑠璃光院 白蓮華堂

『蓮と睡蓮』

2015-07-15

七月に入り、強い日差しのもと街路樹の緑も濃くなり、

いろいろな花々も咲き始め、見ごろを迎えています。

 

仏教に関する花といえば、「蓮華」を連想することが多いかと思います。

「一蓮托生」という言葉もありますし、仏像はハスの花をかたどった蓮台に座っています。

 

ここで悩むのが、この「蓮華」がハス〔蓮〕なのか、スイレン〔睡蓮〕なのかということです。

この二つは姿かたちがとてもよく似ていますよね。見ごろを迎える時期もほとんど同時です。

しかし植物の分類をみると、両者は違う科に属しています。

見分ける方法としては、葉の形や広がり方、花の咲く位置などがあります。

 

ただ面白いことに、植物分類的には違う花でも、

ハスもスイレンも「蓮華」を指すのだそうです。

仏典では白蓮華・紅蓮華・青蓮華・黄蓮華などが登場しますが、

このうち紅と白がハス、青と黄がスイレンと言われています。

仏典がインドから中国、そして日本へと伝えられる際に、細分化された植物名が「蓮華」と統一され、

様々な「蓮華」の区別が一般的な説明でなされることがないため、

単に「蓮華」という言葉だけが広まったようです。

 

新宿瑠璃光院のエントランスの水盤には、睡蓮の花があります。

見ごろを迎えておりますので、ご来院いただいた際にはぜひご覧になってください。

DSCF4945